安野モヨコ『鼻下長紳士回顧録』を原作とした英語オリジナル・ミュージカルが、2026年秋、ニューヨーク・オフブロードウェイにて数ヶ月規模の長期公演を行うことが決定いたしました。
これは、日本マンガ原作としては初めての快挙となります。
安野モヨコによるマンガ作品『鼻下長紳士回顧録』のブロードウェイ・ミュージカル化を目指すプロジェクトは、2020年にスタート。
ミュージカル界の世界最高峰・トニー賞受賞クリエイターたちを迎え、日本のマンガ原作による英語オリジナル・ミュージカル作品として、史上初のブロードウェイ上演を目指した前例のない挑戦が動き出しました。
2023年春には、ブロードウェイ業界における標準的な開発プロセスである「台本読み合わせ」を実現。さらに2025年初頭の「ワークショップ」を経て、いよいよ2026年秋、ニューヨークでの長期のオフ・ブロードウェイ公演が決定致しました。
演出・振付は、トニー賞受賞演出家・振付家であり、『アナと雪の女王』などでも知られるロブ・アシュフォード氏。作詞・作曲は、日本でもファンの多い『春のめざめ』でトニー賞を受賞したダンカン・シーク氏。さらに脚本は、日本生まれで、現在『クレイジー・リッチ』ミュージカル版脚本も手がける新進気鋭の劇作家リア・ナナコ・ウィンクラー氏が担当します。
2011年より画期的なイマーシブ劇として世界を席巻した『スリープ・ノーモア』が14年間ロングラン上演を行ってきたニューヨーク・チェルシー地区の劇場を改装し、『鼻下長紳士回顧録』専用の劇場として生まれ変わります。19世紀の歴史的建造物と現代アートが融合した、観光客にも人気のエリアに、あでやかで美しい『鼻下長紳士回顧録』を体現する世界が出現します。
本公演は、最終目標であるブロードウェイ上演へ向けた重要なステップとして位置づけられており、日本マンガ原作の英語オリジナル・ミュージカル作品としては極めて異例となる数カ月規模の長期オフ・ブロードウェイ公演を予定しています。
ブロードウェイのトップ・クリエイター陣がゼロから創り上げた英語オリジナル・ミュージカル作品が、ニューヨークで長期のオフ・ブロードウェイ公演を実現する――。
これは、日本マンガ作品の舞台化プロジェクトとしても歴史的快挙となります。
2026年秋から始まる歴史的な第一歩の詳細については、今後の続報にご期待ください。
注)オフ・ブロードウェイ:
座席数や興行規模の基準によりブロードウェイと区分されるニューヨークの商業演劇カテゴリー。多くの作品がオフ・ブロードウェイでの上演を経てブロードウェイへ進む、標準的な開発プロセスの一段階でもある。
あらすじ:
「20世紀初頭、フランス・パリ。売春宿で働くコレットは、訪れる“変態”的な欲望を抱えた紳士たちを相手に、出口の見えない生活を送っていた。彼女の唯一の幸せは、どうしようもなく惹かれてしまうヒモ男、レオンとの逢瀬の時間。…たとえ、彼がコレット以外の女のもとへ通っているとしても…「変態とは、目を閉じて花びんの形を両手で確かめるように、自分の欲望の輪郭をなぞり、その正確な形をつきとめた人達のことである……」
一人の女性が明日への希望を紡ぎ、生きる喜びを発見する物語。
上下全2巻。
2013年より雑誌『FEEL YOUNG』(祥伝社)にて連載され、2018年3月に完結。
第23回文化庁メディア芸術祭 マンガ部門優秀賞を受賞。
『鼻下長紳士回顧録』公式HP
https://bikacho.annomoyoco.com/
『鼻下長紳士回顧録』上下巻
https://www.amazon.co.jp/dp/B07PQ9V9ST?ref=cm_sw_em_r_mng_sd_rwt_cwDkJ4xgqLitv
『鼻下長紳士回顧録』は、人間の欲望や孤独、そして、自分らしく生きることの美しさを描きたいと思って描いた作品です。
人の欲望には、その人だけの痛みや願いが宿っている。
私はずっと、そういう「簡単には言葉にできないもの」に惹かれ、描いてきました。
そんな、とても個人的な衝動から始まった、この作品。
描いていた当時は、まさか海を渡り、ニューヨークでミュージカルになるなんて、想像もしていませんでした。
自分の中から生まれたとても個人的なものが、たくさんの方々の力によって、国や言葉、表現の形を越えて広がっていくことを、とても不思議で幸せに感じていますし、国も文化も違っても、「自分らしく生きたい」と願う気持ちは変わらないのかもしれません。
素晴らしいクリエイターのみなさんによって、『鼻下長紳士回顧録』の世界がどのように立ち上がり、新しい観客のみなさんに届いていくのか、私自身とても楽しみにしています。
私は『鼻下長紳士回顧録』が大好きです。
この作品は、とにかく美しい。登場人物は力強く鮮やかで、ストーリーは驚きの連続です。主人公のコレットは、絶望的な現実をノートに記し、自分を救う物語として書き換え、自らを救おうとする。そこには「自分の人生は自分で切り開くしかない」という、現代において素晴らしい教訓があります。
この物語の時代や設定はとてもミュージカルに向いています。作品が持つ様々な魅力が合わさった結果、素晴らしいミュージカルになると確信しています。
私はかつて日本で仕事をした時、日本の風土、人々をはじめ、日本に恋をしました。
今回、日本の作品『鼻下長紳士回顧録』に関わることができ、心から誇らしく嬉しく思います。
演出、振付を手がけるのは、ニューヨーク ブロードウェイ、ロンドン ウェストエンドで活躍し、トニー賞、オリヴィエ賞、エミー賞、ドラマ・デスク賞、アウター・クリティクス・サークル賞を受賞している演出家・振付家。
ブロードウェイ・ミュージカル『モダン・ミリー』(2002年トニー賞作品賞他5部門受賞)でトニー賞振付賞受賞。その他、『アナと雪の女王』振付担当、『エビータ』(トニー賞振付賞ノミネート)、 『ビジネスで成功する方法』(トニー賞演出賞・振付賞ノミネート)等多数。近年はケネス・ブラナーとの共同作業も多く、『リア王』(ケネス・ブラナーとの共同演出)、ケネス・ブラナー監督の映画作品『シンデレラ』『オリエント急行殺人事件』『ナイル殺人事件』で振付を担当。さらに、昨年はザ・フーの著名なロック・オペラ『四重人格』のコンテンポラリーダンス作品の演出家としても注目されるなど、多彩な活動を広げています。
演出家ロブから、安野モヨコ氏による有名なマンガを原作とした物語の音楽を担当しないかと打診されたとき、光栄に思ったものの、少しとまどいました。脚本家リアの素晴らしいアイデアに導かれ、深く読み進めるようになるとすっかり夢中になり、自画自賛にはなりますが、これまでの私の人生で最高の楽曲を書いたと自負しています。
私たちクリエイターは誰もが、このスペクタクルな公演には、観客に移動の自由があり、従来の劇場のようなベルベットの座席に縛られることがない、ユニークなスペースが必要だと感じていた中、画期的な『スリープ・ノーモア』の舞台となった建物に素晴らしい劇場を見つけました。本作を独自の特別な現実へと創造するために集められたクリエイターたちと共に取り組めることは、この上ない喜びです。クールな若者たち、アンド クールな大人たち、皆さんと一日も早くお会いできるのを楽しみにしています!
作詞・作曲を手掛けるのは、ブロードウェイ・ミュージカル『春のめざめ』で2007年に「最優秀編曲賞」や「最優秀オリジナル楽曲賞」など8つのトニー賞およびグラミー賞を受賞した、日本のみならず世界でファンの多いシンガー・ソング・ライターです。
作詞・作曲を務めたミュージカル『アメリカン・サイコ』は2012年ロンドンの全公演が完売した後、2016年ブロードウェイ初演、2025年には日本でも初演され、2026年ロンドンでのリバイバル公演も完売となるなど、現在も独特の音楽性が世界のファンを魅了、次回作が常に期待されています。そのほか、『リリィ、はちみつ色の夏』『NOIR』『アリス・バイ・ハート』『きいてほしいの、あたしのこと。ーウィン・ディキシーのいた夏』『LOVER BELOVED』など、多数のミュージカル作品実績。
安野モヨコ先生が生み出した美しい世界の中でお仕事できることを、とても光栄に思います。日米ハーフの脚本家として、日本のIP作品を新しい観客に届けることに強い情熱を抱いており、この素晴らしいチームと一緒に実現できることを本当に喜ばしく感じています。
この美しい作品に敬意と愛情を込めて向き合いましたので、観客のみなさんにも楽しんでいただけたら嬉しいです。
リア・ナナコ・ウィンクラー氏は、鎌倉で生まれ、ケンタッキー州で育った後、数々の賞を受賞した劇作家兼脚本家です。これまでに、イェール・ドラマ・シリーズ賞、マーク・オドネル賞、ジェローム・ニューヨーク・フェローシップ、フランチェスカ・プリムス賞、スタインバーグ劇作家賞、ダリル・ロス・クリエイティブ・スピリット賞、ウィル・グリックマン賞、ピーボディ賞など数多くの演劇脚本家賞を受賞。近年は米国テレビ作品シリーズでも製作総指揮・脚本家として活躍しています。さらに、映画監督デビューとなった短編映画『Get Her Back』は、サンタバーバラ国際映画祭で初上映されました。次回作として、『クレイジー・リッチ』のミュージカル化の脚本家にも起用されるなど、今後さらに注目の脚本家です。
原作:安野モヨコ 『鼻下長紳士回顧録』
演出・振付:ロブ・アシュフォード
作詞・作曲:ダンカン・シーク
脚本:リア・ナナコ・ウィンクラー
プロデューサー:黒川 裕介(TEAM RAYMAN)
エグゼクティブ・プロデューサー:アントニオ・マリオン
ゼネラルマネージャー:ワグナー・ジョンソン・プロダクション(WJP)